「もう誰も変化に気がついていないようです」ロンドン波止場の記憶#2

僕がロンドン留学時代に制作したミニプロジェクトの動画’Dockland memory in Rotherhithe’に、英国シニアから96件とメッセージが届いたというお話の続きです。

今回は、クリストファーさんから寄せられたメッセージをご紹介します。

LDDCと言われる非政府系の会社が1981〜98年に渡り、廃墟とかしていた港町を再生させていったことが述べられています。洗浄というやや際どい表現もあるくらい、地域に暮らしていた人の顔ぶれはすっかり変わってしまったのだと思います。

Mr. Christopher Fisher
Such a shame so many people moving here from other parts of the world.
Gentrification started here along Rotherhithe St in the 90s.
Locals moving away,those that can.
Pubs being replaced by over priced flats for outsiders, where have i heard that before. The LDDC in the 70s started the cleansing of locals out of the area.
It started then and is still going on but in a bigger scale. No one seems to realise anymore. 

よそからここに本当に多くの人々が引っ越してくることは残念なことです。高級化路線は、90年代にロザハイトストリートに沿って始まりました。地元の人々は出ていき、代わりによそ者たちが引っ越してきました。
以前パブがあったところは、よそ者用に高級フラットとなったようです。
70年代のLDDC(London Docklands Development Corporation)が地域住民の浄化を始めました。それから始まり、現在も続いていますが、より大きな規模で行われています。しかし、もう誰も変化に気が付いてはいないようです。

再開発により、最初の変化が起きたのはロザハイスストリートだと述べられています。確かに、この通りはこの地区を象徴する面白い通りで、僕の定番のジョギングコースでもありました。メイフラワー号のクック船長の眠る墓地、メイフラワー号の名を持つパブ、テムズトンネルの閉鎖されたトンネルの入り口、地下には実際の入り口がある博物館、名作ピーターラビットの映像を手掛けたスタジオなどなど。一本テムズ川沿いに入ると、そこは川の流れや浜で悠々自適の時間を過ごせる空白地帯があります。すべてがピカピカではなく、どことなく何か歴史を背負っているものがあちらこちらにあります。

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そう言った再開発を請け負っていたのが、LDCDと言われるLondon Docklands Development Corporationという非政府系の会社だったそうです。こちらにLDCDの仕事について詳しく記されています。写真を見ると、随分古びた波止場が、現代風のオフィスビルに生まれ変わっていることがわかります。写真の地域は、私が住んでいた地域の二駅隣の駅でたびたび訪れましたが、今ではすっかり金融街だったりします。

London Docklands Development Corporation Archives – A London Inheritancealondoninheritance.com

クリストファーさんが書いてくださっているように、「もう誰も変化に気がついていないようです」というほど、過去の遺産は再構築されたのだと思います。

僕は、ちょっとだけその遺産に気がつけたのは、仕事を辞め、緩やかな暮らしの中で再び学生生活を送る中で地域の細部に目を向けるゆとりがあったからでしょう。

すっかり変わってしまっても、その兆しはところどころ、日本の首都に比べれば象徴的に残されていると思います。そんなところもロンドンの魅力の一つです。

クリストファーさん、貴重なメッセージをどうもありがとうございました。

ご参考