林試の森の秋

林試の森は、品川や目黒区とは思えない空気のおいしい場所だと思う。

特に、秋の少し空気の冷たくなった頃、山でかぐような木々、落ち葉や腐葉土の香りがしてくる。

歩きながらも、宙に浮いたような高い視点から、景色を楽しめるせせらぎ橋はお気に入りの場所。少しずつ移動して、自分好みの景色を見つける楽しみがある。陽の差し込み具合で、見え方や葉の色が変化するので、違った時間帯にたずねてみるのも面白い。

そういえば、ここからの風景に武蔵小山の40階建てタワーマンションが入るようになった。逆に、きっとマンションの上の階からはこの森が見えるのだろうなあ。

我が子は、落ち葉の絨毯が気持ちよかったのかくつをぬいで裸足で走り回っていた。

あたり一面、とてもよい香りがした。

そして、ゴミがほとんど落ちていないことに気がつく。利用者や管理者に対して感謝をしたのだった。

品川区に住んでいると、自宅に庭を持つのは難しいけれど、こうして近所であるしときどき林試の森に来ると土遊びや限られた範囲とはいえちょっとした自然の中での体験ができてうれしい。