武蔵小山のタワーは、本当にランドマークだった

駅前の戦後からあるような昭和の雰囲気を残していた横丁の跡地に、武蔵小山のタワーマンション・パークシティがほぼ最上階まで立ち上がった。約145mの40階建ての圧倒的な高さである。

武蔵小山周辺は、ほとんどが低層住宅。2006年1月に引っ越してきたときに、19階建てのパークホームズが建設中で随分と高いマンションが建っているという印象を受けたが、今回はその比ではない。

最近、お隣大田区の洗足池まで出かけて帰りに徒歩で1時間ほどかけて帰ってみたが、そのときもこのタワーマンションが目印になって迷うことがなかった。江戸時代には、品川の小高い丘の上に植わっていた背の高い木を東海道から眺めて目印にした、と記録がある。高い建物などなかったから、木で十分だった。現代で目印にしようとしたらこの程度の高さが必要なのである。

ランドマークの名の通り、本当にいたるところからその姿を見ることができる。小山台高校の体育館側からは言うまでもなく、大風でクレーンがここまで飛んでくるのではないかという距離感である。

林試の森の中からも、木々の間から姿が見える。ぼーっと森林浴の最中、これまでは山にでも来たかと錯覚しようとすればできたものだったが、今は、どーんと建設中のタワーマンションがそびえ立つ。もっとも夏場は、葉が茂って見えないと思うが、落葉から先は、これから新しい景色を背景に持つことになる。たとえば、三枚目の写真には中央やや右よりに写っている。

逆に、マンションの住人には、森がどんなふうに見えるのか、見てみたいものである。それには、住人の知り合いをつくらないとだ。