イタコ体験がもたらす時間感覚

 

2022年10月にイタコに祖母をおろしてもらい対話するという体験をしました。

AXISで連載を続けているTAKT PROJECTの東北考・第5回でのフィールド調査の際でした。今、それから8ヶ月ほど経過して、この文章を書いています。

改めて、いい時間だったと思います。なぜかというと、日常の中で感じる時間の流れとは違う時間の流れを持つことができたからです。訪れるまでの数週間を、故人との時間を振り返りながら、内省したり、家族と話したりする時間がありました。4年ほど前に亡くなった故人との時間を40年前後、関わり合いの中で見過ごしてきたこと、忘れてしまったことを思い出すことができます。

そして、その行為は、自分の人生だけではなく、この先何代も先祖と子孫は繋がっていくことを想像しました。自分の生活の時間の流れを、もっと大きな流れの中で見ることができるようになりました。何を自分は受け取り、渡すことができるのだろう。そして、あまり自分の人生の時間だけにこだわる必要はなく、周囲、前後の時間にいい時間が伝播すればいいのではないか、と思うようになったからです。

しばらくすると、そのような時間の流れは日常に飲み込まれていきます。しかし、その時間に至る出来事を思い出すことができるのです。それとともに、今の生活における時間の焦りも消えるように思います。

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