30年後の釣り少年

葉山に移ってやってみたいことに食べ物を育てたり、獲ったりというものがありました。

家庭菜園は、実際に着手し一坪の小さな畑で現在、ブロッコリ、カリフラワー、いちご、ねぎが育っています。次は釣りです。

5歳で目覚めた釣り少年

僕の釣り体験は、5歳の時に遡ります。いとこにもらった「釣り大百科」という漫画の本を擦り切れてテープで補正するほど読み込み、釣りがしたくてしたくて仕方ありませんでした。竹竿に釣り糸、ウキ、針をつけたシンプルなふな釣りを愛知県一宮市の用水路で父と一緒にしました。練り餌を使っていたなあとか、本当に竹を削って作った竿だったなあ、全然釣れなかったなあと、割としっかり覚えていて、とっても嬉しかった。
また、この恵文社の本が優れていて(正確なタイトルが間違っているのか、同じ本が見つかりません)、小学生時代もひたすら釣りの本を集めていましたが、これほどの名著には出会えませんでした。

そんな中、別の名著に出会いました。

この本が素晴らしいのは、道具を現地調達するちょい釣りから始まる釣りの原点回帰の視点です。釣りって、再びはじめようとする、どんな道具を買ったらいいのか全然わからないですね。子供の頃、熱心に釣り雑誌や釣具店に足を運んで集めた情報はもうすっかり忘れてしまっています。
でも、この本は、釣りはもっとシンプルに楽しめるものだということを教えてくれます。例えば、ちょい釣りは、浜辺に落ちている木の棒と糸と針さえあれば、砂浜や磯にいる餌も現地で調達し、10センチほどの浅瀬でも釣れるという釣り方です。読んでいて、確かに歴史を遡れば、私たちの祖先は高価な道具など使わずに魚を釣っていたわけですから、それでも十分なわけです。
あと、多くの釣りの本は、道具と仕掛けについてのみ紹介していますが、この本は料理の仕方まで紹介してくれています。僕のように食べ物を獲るという目的ではじめていると、この点はとても嬉しいです。

欲しい道具を最小限

せっかくはじめるなら使い込む価値を感じる道具で、という思いはいつも持っています。しかし、先の本を読んでからはあまり高価になりすぎないようにしようと思いました。少年期の記憶で、釣具メーカーにはダイワ、シマノ、リョービがあるのを覚えていて、当時は価格的にリョービを買うことが多かったなあと思い出しました。確かに、今調べてみても、ダイワ>シマノ>リョービの順序は変わっておらず、価格差は結構あります。

ネットで少し下調べして、釣具の上州屋に行きました。

シマノは、自転車で馴染みがあるのと、デザインも洗練されていて価格も手頃です。ということで、シマノで釣竿(ロッド)とリールを揃えることにしました。思い立ったら自転車でも釣りに行けるコンパクトさを重視しました。竿がおよそ6000円(ホリデーパック)、リールが4500円です。どちらもエントリーモデルですが、十分プロダクトとして美しく、使い込む喜びが感じられます。


食べ物を獲る

少年の頃、川釣りをメインにやっていたのですが、ほとんどの場合釣れなかったですね。ルアーフィッシングやフナ中心だったこともありますが。。その点、海釣りは潮と天候のタイミングさえ合えば、結構釣れます

ちなみに先日、入手した釣り道具で一回目の釣りを葉山の森戸海岸でしました。短めの竿と軽い重りを天秤につけた、ちょい投げと呼ばれる釣り方です。せいぜい15メーターほどの投げ込み。
早速、最初の投げ込みで一匹釣れました。釣れたのは、コトヒキ10匹、シロギス 1匹、草ふぐ1匹、スズキ1匹、クロダイ1匹。久しぶりの釣りにしては、上出来と思いきや、残念ながらほとんどが幼魚で10センチ前後のサイズでした。(魚の名前がわからない、、、というときは釣りSNSが役立ちます。僕はTuribaCameraを使っています。近くの釣り場の人々が教え合っています)

本当は、シロギス とハゼをたくさん釣って、夕食のおかずにしたかったですが、初回から上手くはいきません。そりゃそうです。


自然と向き合う喜び

釣りは自然の生き物と環境と向き合いながら行うので、はじめてみて経験から学ぶところが多いです。そういえば、葉山では多くの人が船に乗って釣りに出ています。浜辺を観察しても、長い竿で割と遠投して釣っている。後は、防波堤。浜に近いところは、幼魚が多いのかもしれません。というか、今回はそんな結果でした。小さな魚は、全て海に生きたまま返し、唯一釣れたシロギス だけ持ち帰りいただきました。とっても小さなから揚げになりました。それでも、ありがたく美味しかった。

釣りをしながら海と空を眺めていると、とても思考を内省的にもしてくれます。そして、気がつくと、何も考えずただ江ノ島やその遠くの雲を見ている。パソコン作業やリモートワークに疲れた後にいい癒しになりそうです。

少年時代に毎日のようにした釣りとは、また違う、美しい自然と向き合いながら食べ物をいただくという体験だということに気がつきます。

少しずつ、釣りについても気づいたことを記していきたいです。