自足する暮らしは、自営業に向いている

津幡さんの「ときをためる暮らし」を読んだり、「人生フルーツ」を見てから、人生をかけて良質な土を残すのだという言葉が印象に残り続けています。

そんな暮らしができるところはどこか、自らのまわりを探してみると、1年間の菜園レンタルが品川区にあることがわかった。年間使用料は2万円とのこと。しかし、自宅から自転車で30分ほどかかるため断念。以前、引っ越しを検討した逗子市には抽選で一区画借りられる制度がありました。

一方で、ふと実家からときどき送られてくる野菜のことに気が付きました。実家のある愛知県あま市には、濃尾平野が広がり田畑がたくさんあり、家庭菜園も珍しいものではありません。

2004年にD70というニコンのデジタル一眼レフカメラを買った僕は、よく畑仕事をしている当時80代だった祖母の姿を写真に撮っていました。

確か、2007年前後に畑からの帰り道、一休みしないと帰れないという出来事があり、そこから母が引き継いで畑作業することが増えていきました。その母は仕事を退職した3年ほど前から本格的に畑が充実しはじめたのでした。

今では季節ごとに立派な野菜や果物ができる立派な菜園です。帰省時は、自宅から徒歩5分ほどのこの菜園での収穫がイベント化しています。

草取りや害虫からの保護は大変みたいですが、無農薬でとっても新鮮でおいしいです。家族や親戚も大喜びしています。

「身体を動かすから畑仕事はほんとにいいんだわ」、とのこと。

畑の土を見ていると、祖母から受け継ぎ、父母の世代でも肥やしをあげて耕して豊かに土壌を整えています。

今はちょっと遠い実家ですが、庭にあるみかんや木々たち、畑、田んぼとたくさんの豊かな土は近い縁あるところに広がっていることに気がつきます。

フリーランス的な働き方をしていると、仕事がぎっしり詰まっているときと、ゆとりのあるときがあります。会社員だったときは、休みは100%気分を開放して楽しめたものですが、フリーの休みは将来の仕事の不安と直結するのでこころから楽しめないときがあります。

しかし、本来、フリーにとっても休みにこころのゆとりをもって休んで心身の英気を養うことは大切です。

そこで僕が考えたのは、本来、仕事で稼ぐ貨幣と、貨幣に依存せずに生産して収穫できる二種類の労働をするとよいのでは、ということです。身体も動かせるので健康的だし、それなりの収穫があれば、それは立派なアウトプットではないでしょうか。農業だっていいし、海で魚を釣ってもいいかもしれません。

そういう生活スタイルにシフトしていきたいと家族と話したところ、妻もそれに関心が高いので、中期的にそちらへのシフトを本気で考えているところです。

問題は、どこでそれをするかですね。