品川と葉山
我が家は、理想の住まいを考えるにあたり、葉山と現在の住まいである品川を両天秤にかけました。
そのような比較は結構珍しいようで、見学に伺ったマンションのショールームでも珍しいです、と言われたものです。
なぜ品川が候補になったかというと以下の点です。
- 品川には2006年にこの町がいい!という思いがあって住み始めていて、気に入っているところが多い:にぎやかな商店街、3路線使えて移動が便利
- すでに保育園に入れているので、その近辺で探すのがよい:その後も教育環境はかなりよい(はず)
- 夫婦の実家がある名古屋方面にも品川から新幹線で戻りやすい
- 近所のここにマンションが建ったらよいだろうな、という場所にマンション建築の予定がたった。高台の上、中学校と大学があり周りに高い建物が建たない
- 夫婦の実家が同じ県なので、将来、移動の可能性もあることを考えると、マンションの方が資産として売買しやすい
近所に建つ都内新築マンションを訪れる
そんなこともあり、近所の工場跡地がファミリー向け分譲マンションになると現地のポスターで知って興味を持ちました。専有面積は70〜80㎡とのこと。
WEBエントリーをして、5月に説明会、見学会に伺いました。
ちなみにバウス品川戸越というマンションです。
この近辺は武蔵小山のタワーマンションの建築も進んでいます。一方で、私たちはこじんまりとして低層が好みだよね、と話していたので、バウスはちょうどよい7階だてで地域になんとか収まる印象を持ちました。
実際に資料や現地を訪れて、マンションを選ぶなら、機能性が評価の分かれ目だという当たり前のことを再認識しました。なぜそこで暮らすのか、を街全体を含めて考えると、便利、という言葉がたくさん並ぶことを改めて認識したのです。
ここで暮らしたら、あらゆる意味で葉山で暮らすより効率的である、のは明らかです。仕事でも本社を構えているクライアントの多い山手線周辺であれば30分程度でどこへでもアクセスできます。保育園だって、日用品の買い物も徒歩数分。
ただ、ここまで数回に分けて綴ってきた理想の暮らしで求めたいものの実現はなかなか難しそうだなと思いました。少し広めのバルコニーにプランターで菜園をつくる、ということはなんとか可能かもしれない。ただ、やはり土をいじるというのとは違うような気がします。それに、気軽に海や山の抜けた風景の中に自身を置いたり、魚を釣ったり、野菜を収穫したり、食べていくということを違う側面から捉え直す体験も難しそうです。むしろ、資本主義のど真ん中で走りながら考え続ける生活が待っていそうです。
そして、当たり前ですが、その金額も生活に大きな影響を及ぼします。見学先の部屋は70㎡〜で7800万円程でした。諸経費を入れたり、ローンでの支払い総額は8,000万円を軽く超えてくるでしょうね。
でも、葉山ならそこまでのお金をかけなくても、より広くて静かで土のある環境が手に入る可能性が高い、と思いました。(具体的には品川戸越あたりの坪単価は200万円以上、葉山は60〜90万円くらいの幅)
もちろん、都心への通勤があればそれはずっと大変になりますし、徒歩で通えていた保育園は車になるなど、不便であることは増えるでしょう。
それでも、はじめに理想の暮らしを言葉にしていたことから、そこについてはブレることがありませんでした。仕事にとって便利と、身体にとっての便利もまた違うと思います。
自ずと導かれた結論
結局、私たち夫婦は、マンションも結局そこ一物件しか見に行きませんでした。一件の見学も、マンションの条件やブランドではなく、その土地だったからマンションであっても見に行きたくなったというのが本音です。
やはり土地の環境が大切なんだと、気がつくことができた経験になりました。
マンションの案内や中での体験は、すばらしいものでした。どうやら発売後、一期目はまたたく間に完売したということです。きっと、僕自身が今のような暮らしのモードに入らず都心で会社員を続けていたりしたら、購入したい!と強く思ったでしょうね。
理想の住まいは、よい悪いではなく、その人なりの人生の段階にある価値観で決まるのでしょうね。