本当に集中できるツールはiPad+Apple Pencilだった

以前、「集中しづらいのはなぜか」というポストを記した。
デジタル機器を使いながら仕事をしていると、マルチタスクや通知によって集中力が削がれやすいという課題に対して一つの取り組みをしてみることにした。
シンプルなことだが、iPadの導入である。
iPadの導入自体は、僕にとっては特段新しいことではなく、2010年から初代やミニを使ってきた。しかし、Apple Pencilが使えるようになった第6世代の導入は、これまでとは違った位置づけのツールになった。これまでは主に画面の大きなiPhoneとして使っていたのだが、パソコンから離れて考えるのに適した筆記ツールとして快適なツールになった。

Apple Pencilを使った入力は心地よい

大きな進歩は、キーボード入力ではなくペン入力へのシフトだ。パソコンから離れペンを握って、縦横無尽に線を引いたり、絵を描いたり、文字を記すことで頭が活性化する感覚がある。フリーハンドで逡巡しながらアイデアを描くように考えるには、ペンが断然よい。
だったら紙に書けばよいと、これまでもノートや筆記具を万年筆にしたりと取り組みをしてきた。しかし、書いた後の紙が散らかるという課題をどうしても解決できなかった。
紙のアイデアメモは、一度書かれたら、しばらくは見返すことができるが、数年後、ノートが変わってしまえばアクセスできない。また、仕事のたびに発生する、膨大な紙の資料。プロジェクトが終わるたびに、必要なものだけ残して後はシュレッダーで処分する。
数年後のプロジェクトで、改めて昔の資料、しかも、手書きでメモを入れたあのシートはどこへいったっけ、、、なんてことはよくある。
そのあたりの課題を解決してくれたのがiPad+Apple Pencilである。
8月の末に導入し、一ヶ月ほど経って次の点が改善。
  • プロジェクト資料を深く読みメモを入れて有効活用できる
  • 資料作成時に校正時の印刷せず、PDFに直接赤入れできて紙とインク消費削減
  • 机に積まれていく印刷物の削減により片付く
  • 昔自炊した250冊のPDF有効活用

iPadは最も没頭型ツールでは?

iPad導入時に、メモ中や読書中に通知が来て集中が邪魔されるのでは?という懸念があった。それを防ぐため次の設定を守ることにした。

  • 通知オフ
  • SNSアプリ未導入
  • ブックマーク同期OFF
パソコンやスマホでできることは、そちらでやることにしてiPadに多くを求めずあえてノートやメモ、あるいは書籍といった限られた機能に決めて使う。もちろん決まった内容を効率よく打ち込んだり、マルチタスクで同時に効率よく仕事を進めるには、断然パソコンが有利なのでそこは適材適所。全ての役割をiPadに期待しないことが重要。
集中力している状態で、画面上にアラートなど出たら台無しである。同じ集中に持っていくのにどれくらいの時間が必要だろうか。そのあたりにもっと早く意識的になるべきだった。そういう意味では、iPadで書物したり読書中は、スマホは裏向きで画面を見えないようにし、パソコンはしまうべきだろう。

他者との間に壁を作りにくい

紙のノートを持たずに打ち合わせやインタビューを行っている。これまでパソコンで打ち合わせ中にメモを取るのが苦手だった。というのも、画面がついたてのようになって相手との間に境界線を作っている感じがして。実際、そういうことが心理的な隔たりにもなっていると思う。

iPadはそういう懸念がないので、割とすんなり置き換わった。
ちょっと懸念事項があるとすれば、やはり物理的な資料とは違って、階層構造になっているものを探すときに紙のように手探りではしにくいこと。このあたりは、事前に立ち上げておくことが必要。あとは、ちょっと重いので立って使うときは手が腱鞘炎になる可能性があることか。
 

膨大なPDF資料の閲覧と書き込みが本当に楽

プロジェクトの資料は時として100ページ以上のものがいくつもなんてことがある。これらを丁寧に閲覧しようとすると、どうしても印刷するしかなかったのだが、かさばるし、セキュリティ的にも機密情報であればリスクとなる。そんな場合も、iPadにPencilで書き込みながら閲覧活用できるのは非常に重宝する。
これまでパソコンの画面で読んでいたのは、一体何だったんだ、インプットのクオリティ下がる、という感想すら持つ。

ツールメモ

導入したのは次のツール。

  • iPad第6世代(32GB)
  • Apple Pencil
  • 純正スマートケース
  • GoodNotes
  • SideBooks、Kindle
  • Dropbox

メモの延長線上と割り切って考えると、最小限の容量と9.7インチのサイズで十分。画面に書き込むときにコツコツと音がしやすいのと、滑る感覚があるので当初はペーパーライクになるシートの導入を検討したけれど、結局、絵を精緻に描くわけではないのと、コントラストが落ちるということで止めた。このあたりは、無駄なものは付けずApple社のエンジニアやデザイナーの決定を尊重して使うことにしている。