保育体験で乳幼児の保育園ライフを追体験して、日常生活に活かす

我が家の1歳3ヶ月になる子どもは、10ヶ月になった2018年9月から認可保育園に通いはじめました。地域密着で20年あまり小規模保育園として運営されてきた私立の保育園の大規模園です。理念のしっかりした保育園で、小規模保育のよさを大規模でも取り入れようとされています。

新設園でもあるので、保育を重点的に行うということで、子どもたちの行事は最小限にしてまずは保護者会、保育体験といった両親を巻き込んだ行事がときどき開催されます。

我々夫婦も11月、2月とすでに二回の保育体験に参加してきました。保育体験とは、保育士さんと混じって、午前、午後に別れて子どもと一緒の時間を過ごす体験です。

僕たちは、子育ての期間は限られているので、なるべく子どもの行事には仕事の時間を調整し両親で参加しようと決めています。そんなこともあり、午前と午後を交互に体験して一日を通じてどんな風に我が子が生活しているのかを体験しました。

行ってみての感想としては、子どもの生活を点ではなく一日の流れの中で理解して認識して、家庭生活でも連携して活用するヒントがいくつもありました。

よくよく考えると、子どもは9時から18時まで保育園で過ごすので、平日に接している時間は朝と夜の僅かな時間であり、そのほとんどは保育園なのです。まだ話せない子どもが、どんな先生と何で遊んで、何を食べて、どんな歌をうたって暮らしているのかは知っておきたいものです。 

乳幼児は歌で生活のメリハリをつける

11月に参加したときには朝の会での挨拶の姿に驚かされました。

いつもどおり、8時45分ごろ登園し視診で身体のチェックと検温をすると、朝の会がはじまります。

輪になって先生たちが朝の歌をうたってくれます。そして名前を呼ばれると、ニコっと笑って手を挙げました。そんな些細なことですが、自宅ではやってもらったことがなかったので新鮮な驚きがあります。

実際、言葉を理解しない0歳児の子どもたちと朝の会が成立するのだろうか?と疑問に思っていたのですが、歌は見事に朝の会を知らせるリズムです。

確かに、日々の連絡帳の中で、挨拶ができるようになりした、とありましたが、こんな風にできるとは思っていませんでした。(研究によれば、0歳時はまだ言葉の意味を理解しているのではなく反射的に習慣でするそうですが)その日、家に帰るとお風呂の中で、歌と名前を呼ぶと喜んで挙手をしてくれました。あんまり何度もやらせると、意味のよくわからないシーンで混乱させてよくないと思いつつも・・・。

あと、食事の際も乳幼児は歌でその時間がきたことを認識していました。「ぼんぼんぼんぼん時計がなります♪」と先生たちの歌とともにいただきますをします。自宅では、何気なく食事がはじまり終わっているという感じでしたので、食事においても、歌で習慣をつけてメリハリをつけるとよいのか、と気が付かされました。

それ以来、自宅でも、ご飯とおやつを食べるときには保育園と同じ歌を唄うようにしています。歌がはじまると、あ、おいしいものを食べる時間だ!と思うようでニコリとします。

保育士さんとも生の現場で話ができる

保育参観や面談は、机に座って向かい合って会議スタイルで会話をします。それに比べ、保育参観では、子どもと遊びながら保育士さんと育児のこと、地域のことなどをざっくばらんにお話することができます。

会議スタイルで聴くよりもこころを開いた状態で普段の子どもの様子から、保育士さんの子育て経験、園の考え方などなど意見交換ができて、僕にはとても貴重な時間でした。寝かしつけのこと、就寝時間、歯磨きのことなど様々相談できました。もちろん、連絡帳の記載など子どものお昼寝の時間にこなされることもあるので、ずっと話しかけていると迷惑かなと思いますが。。。

知人の話では保育体験にも園によって方針が様々で、保育士さんの補助として参加するケース、親がいるとバレないようにマスクや三角巾で変装してこっそり見守るケースなどがあるそうです。うちの園は、純粋に子どもと過ごす時間としてくれているので、ゆったり参加させてもらうことができます。

食べものと食べ方を知る

給食の時間は、三角巾とエプロンをして子どもたちにご飯をあげる役をします。どんな給食を食べているかは献立一覧で知ることはできますが、実際にどんな温度で、どんな香りで、見た目でというのは現場でしかわかりません。

僕の場合は、ああ、もうこんな幾種類もの食器に立派なご飯を食べているのだということを実感しました。入園の9月ごろからすでに離乳食でしたが、家では小皿を何皿にも分けてはあげていませんでした。順番に食べる練習をしながらも、自分が食べたいものを指さして教えてくれる我が子を見て、家でも同じようにしなければと学びました。

園や職員の方々の雰囲気も知ることができる

短い見学や懇談会でも、おおよその雰囲気はつかめますが、半日程度滞在させてもらうと(自分と妻でほぼ一日分)、先生や職員の方々の素に近い姿も見られるいい機会です。はっきり言って完璧な組織などないと思います。その中でも、職員の方のこころや対話の態度が外に開いていることが感じられれば、親としても安心です。

家庭生活に活かす

どうしても赤ちゃんのときの印象が強いため、日々、すごい勢いで成長していく我が子を過小評価しがちでした。実際、おじぎをしたり、手を挙げたり、歌で食事がわかったり、自分でトイレにいきたい合図を送る、歌のようなものを唄う、様々なことができるようになっています。これは、子どもの知能の発達と保育園で育ててもらっているからだと、保育体験を通して強く認識しました。

歌とか、食事、トイレなど、すぐに対応して家庭でも連携するようにしました。

保育体験の口頭共有は難しいので両親で参加が理想

保育園に行っている8時間の中で我が子がどんな体験をしているのか、親が知った上で家庭生活も組み立てるというのはとても意義深いと実感しました。
確かに、忙しい日々の中ではありますし、すべての保育園が保育体験を提供しているわけではありません。でも、もし保育体験が実施されているのであれば、両親でこの体験をした後、会話できると理想だと思いました。なぜなら、かなり濃い体験をすることになるので、口頭で共有が難しいからです。これは参与型のフィールドワークでもあり自分でやってみないとわからない。

完了後に、最後にA4で一枚分のフィードバックシートを園に提出しました。こういう体験後の感想や意見をチェックする仕組みが備わっていることも安心できるところです。園長をはじめ担任、保育リーダーも目を通していてこちらの思いを理解してくれていることが、会話の節々で感じられるので一方通行のフィードバックになっていない点もよいところ。


日々成長の中で、保育体験で得られる情報も変わっていくので、また次回も参加したいものです。楽しいだけでなく、発見の多い体験でした。