勝手に猫の公園と呼んでいるところにある桜。
通りかかるとかなりの確率で茶色の大きな猫がいるのと、公園を抜けた所に猫の里親カフェがあるからだ。
ここに個人的に注目している立派な桜がある。木自体もすばらしいのだが、その佇まいというか環境が更にすばらしい。こんなに立派であるにも関わらず、特にイベントもなければ、集って花見をしているのも見かけない。
桜いっぽんあたりの見物人占有率は重要だ。
そのバランスが悪いと、なかなかじっくり木と花と向き合うことは難しい。この観点から、ここはほぼ独占である。
土曜日の昼下がり、この桜の木の下で夫婦でゆっくりご飯を食べた。桜に訪れる鳥や虫の姿も見られる。風の音も聞こえる。
こんな贅沢はないのではないだろうか。
昨年から、地域にそここに咲く桜の木を一本一本見て回るようにしている。
確かに千鳥ヶ淵などの桜も美しい。
しかし、地域に息づく一本の桜にも、それをうわまわる情緒とともに存在しているものがある。
そんな身近にある美に、再び日本に暮らしはじめて気がついた。
さて、この公園は正式には荏原1丁目防災活動広場という。あんまり趣のない機能的な名前ですね。