出会い
2019年の平成が終わり、令和がはじまろうとしていたゴールデンウィーク前に、友人に紹介をうけました。
「ぜひ紹介したいすてきなところが石巻にあるのだけど一緒にいかない?」
私たち夫婦は彼女のことを信頼していて、彼女の紹介ならぜひ!と行くことにしました。それがモリウミアスとの出会いでした。現地でずっとモリウミアスに行きたいと思っていた、と仰っていた参加者もいるほど知る人ぞ知る存在ですが、私たちにとっては突然の出会いでした。
モリウミアスで体験する循環する生活
モリウミアスは、ただの宿泊施設でもありません。海、山の間にある築93年の廃校を活用し、自然の中で持続可能な生活を体験しながら学べる場です。
モリウミアスはこども達の学び場です。
豊かな自然とそこに生きる人との交流を通じて
たくましく生きる力を育む場です。
震災により大きなダメージを受けた雄勝には
素敵な方々がたくさんいます。
世界中からも人が集まり、ここには多様な学びがあります。
こども達の、雄勝の未来のために是非お越しください。
(MORIUMIUS 代表・フィールドディレクター 油井 元太郎さんのメッセージ オフィシャルサイトより転載)
そこに至るまでの道中にも、多くの気づきがありました。仙台から車でおよそ2時間の旅。リアス式海岸のあるこの地域は、震災で深刻な被害を受けた地域です。途中、防潮堤など復興中の工事現場や仮設住宅を見ながらの旅となりました。
モリウミアスでは子どもたちは、大人と離れて同じ敷地の中で別行動をとり都会の生活ではなかなか気づくことが難しい持続可能に暮らす体験をします。
火をおこして調理したり、漁師さんの手伝いをしたり、水をリサイクルさせて稲や生き物を育てたり。様々なアートのワークショップも開催されています。
ゴミが出ても、使えるものは堆肥にしていきます。ここにいると何が再利用できて、何ができないのかを実際に体験することができます。都会では、ゴミはゴミ収集の方々が引き取ってくれるので、意識が向かないものです。意識が向くには、ゴミがどこにいくのか、そこに自分がそこに携わる経験が必要なのだと思いました。
心身が気持ちいい環境
うちの子は未就学児なので参加できませんが、今回はこの場で過ごすだけでも、親子ともども身体で気持ちのよい空気、水、音を浴びました。
子は大はしゃぎで、校庭では草や土をいじり、校舎ないであっちこっち行き、展示されているアート作品を指さして興奮。部屋では北の住まい設計社製の無垢材の家具が気持ちよいのか、猫のようにすりすりしていました。
また、部屋の木枠の窓に、たくさんの桜の花びらが吸い込まれるようにゆっくりと飛んできたとき、その美しさに一緒に見とれました。
海で漁師さんの手伝をしたり、雄勝ローズファクトリーガーデンでは草取りなどのお手伝いをしました。その際に伺った語り部の徳永さんのお話は、災害で最期を迎えるということがどのような状況を招くか、備える心の持ちようについて伺いました。自分たちの生活に取り込める内容でした。
また大切に育てた家畜の肉をいただくときに、匿名でない命をいただくときに感謝しゆっくり大事に食べるという意識を持ちました。野菜だって自分や家族で育てたものは、大切に食べますし、捨てられませんよね。家畜は更にその思いが強まります。(実際、名前を呼んで餌を与え育てていたスタッフや子どもたちにはもっと特別な思いがあると思います)このあたりも子どもだけではなく、大人も意識が変わる体験をしました。
短い時間でしたが、濃密な二日間でした。
なにより、このような学びと自然と繋がる場をつくりあげ運営されているモリウミアスの皆さまに感謝いたします。
さまざまな準備をしてくださった代表理事やスタッフ皆さま、どうもありがとうございました。
やはり土(畑)、海、山が必要
モリウミアスの体験は短いもので非日常な経験でしたが、私たちが日常生活に取り入れていきたい要素に満ちていました。
・海と山の間がつながっている生活環境
・出した廃棄物を循環させられることを実感できる土
・匿名ではない自分が生産に携わった食材
このあたりは理想の住まいの要素として確実に私たちには必要だと確信したよい旅でした。