この春からはじめた博士研究に関連して研究会を行います。畏敬、感動、自己変容、創造性、心理学実験にご関心ある皆さまぜひご参加ください。
【お知らせ】
12/10(火)午後、「畏敬の念」研究の現在と題したメディア表現学研究会を情報科学芸術大学院大学[IAMAS]にて開催します。今回は、名古屋大学大学院の高野了太氏に、心理学実験や脳機能イメージングなど科学的手法を駆使して迫る「畏敬の念」の構造と機能に関する研究を発表していただきます。ぜひご参加ください。zoom配信あります。
【開催趣旨】
大自然や広大な星空、優れた芸術作品やパフォーマンス、偉大な人物に触れるとき、私たちはしばしばその圧倒的なスケールを前に、自分の存在の小ささを痛感します。そして、世界の見方や価値観が変容するような感覚を覚えることがあります。この感情は「畏敬の念(awe)」として知られ、20年あまり前から心理学をはじめとした科学的研究がはじまり、多くの知見が蓄積されてきました。
畏敬の念は、広大さ(vastness)に対する感覚と、それに適応するために認識を再構築する必要性(need for accommodation)を引き起こします。これにより、個人の価値観や世界観、時間感覚が変化し、主に創造性の向上や他者とのつながりの強化が促されることが知られています。また、映像やゲームなどのデジタルメディアやVRなどを通じても引き出され、その体験が価値観や行動に持続的な影響を与える可能性があります。
この度の研究会では、心理学的実験や調査に加え、脳機能イメージングや生理反応計測などの多様な手法を駆使して、畏敬の念の構造や機能を解明してきた名古屋大学大学院情報学研究科の高野了太氏をお迎えし、その一連の研究成果をご紹介いただきます。
その後、畏敬の念が私たち人類にとって持つ意味や効能について、参加者の皆さまとも対話を行いながら探求します。さらにメディア表現との接点について議論を進め、今後、畏敬の念がメディア表現を通じてどのように引き出され、私たちの世界観や価値観にどのような影響を与える可能性があるのかについて検討していけたらと考えています。