品川区荏原児童遊園という小さな公園があります。
見事な欅があって、よく通りかかるときに眺めたり触ったりしていました。
しかし、残念ながら、2019年7月10日に伐採されました。道路拡張の中、近所の集会所がここに移転してくるからです。この前の週に、木に伐採を通知する書類が貼り付けてありました。
紅葉の季節、新緑の季節の美しさは特別でした。
妻と、この木が切られてしまって失われることは、ここに長い時間かけて培われた生き物の循環なのかもね、と話しました。確か、昭和40年代につくられたと刻まれていたような。欅の寿命は1000年以上のものもあるというので、50〜60年ならそのころからあったのかもしれませんね。昆虫、鳥、人、きっと細菌などもこの木に集っていました。
こんなに立派なのに惜しいな、残念だなと正直思います。
それと同時に、自分たちが今暮らしている場所にも、同じようにかつて立派な植物が生きていたかも知れないと考えるようになりました。
経済価値になかなか置き換えるのが難しい、こういった植物たちの価値。佇まいの美の価値。
人間が都合で植えた木は、いつか人間の都合で切られてしまうのかもしれないけれど、こういうものを生かして生きていけるところで暮らしたいものだなあと思いました。